道なりの始め
昔では発症すれば対処策もなく、それどころか新たな感染を防ぐためその患者たちを隔離までしてしまっていた伝染病。
天然痘や肺結核症などがそうだ。
しかし、これらは現在ではとっくに消滅しているか、または有用なワクチンの開発によって、まったく脅威となりえてはいないことがほとんどだ。
このような明朗たる今日の医療現場、その根底を支えているものの一つに、ある生化学研究における初歩的実験方法というものがある。
それが、免疫沈降だ。
これは、特定の抗原をタンパク質の中から人為的に取り出し、その成分を検出・分離・精製することを可能とする方法だ。
試験官の中にてその抗原にのみ特異的反応を見せる抗体を混ぜることで、任意的にアレルギー反応を起こさせる。
この、抗原抗体反応こそが、免疫沈降法における肝であるというわけだ。
これによってタンパク質から取り除かれるような形で、その抗体との結合を果たした抗原は、今度はウエスタンブロット法にて改めて単一の成分分子として用いられることとなる。
つまり、免疫沈降は全ての生化学実験における、その基盤の役割を担っているというわけなのである。
医学の発展がなされるまでの、その過程には、本当に様々な道なりが連なって支えとして存在しているのだ。
今から、そんな支えの一つ、免疫沈降についてをみていこう。
ウエスタンブロッティング方法が任意のタンパク質の検出ならば、こちら免疫沈降法は任意のタンパク質の分離・精製といえるだろう。
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